2013-11-01

新生FF14製品版・ざっくりプレイレビュー

2013年8月27日に新生FF14がローンチされ、早2ヶ月。
前回のプレイレビューでは「やらないだろう」みたいなニオイをこれでもかとまき散らしておいて何ですが、結局発売日から遊び始めてしまいました。信念ってなんですかね。


やってしまったものは仕方ありません。
さて製品版を紐解いてわかったことは沢山あります。新生FF14とはどんなゲームなのかも2ヶ月遊べばなんとなくわかりました。
グラフィックとかサウンドとか、そういうガワの部分は前回書いたのでゲームとしての中身を中心にざっくりと書いていきます。「ふーん」と思ってもらえるように頑張ります。


前回、”キャラクターのレベリングは「World of Warcraft」のようなクエストベースで行う”と書きました。否、キャラクターのレベリングだけではありません。

プレイヤーは最初に出来る事は相当に限られています。
出来ないのではなくて出来る事を極力絞りまずは触れて慣れてもらうようにし馴染んでもらうことを最優先にしているようです。

「とにかく説明書を読まなくてもプレイが出来る!」

……と書きたいんですが、このゲーム説明書がありません。パッケージを開けるとペラ紙1枚。おわり。
公式サイトにマニュアルがのってはいますが、全てインゲームで補完されるようにゲームデザインレベルで織り込まれています。
そのマニュアルの役目を果たすのが一部のクエストや……


画面左上の「TIPS」です。このTIPS、とても重要です。
これさえちゃんと読めば全て把握出来るように出来ています、飛ばさずに読みましょう。
(このTIPS、チュートリアルとして序盤だけかと思いきや後半も初めて触れる要素が現れたらしっかりと表示されます。ごくまれに、TIPSの文中に知っている人はクスっとくるネタも仕込まれています。なお、このTIPSを書いているのは全てプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏です。)


チュートリアル部分はこれくらいにして。キャラクターのレベリングには大きく分けていくつかの方法があります。
(ここではバトル系クラスでのレベリングの例を挙げています)

  • 昔ながらの敵を倒しまくってEXPを稼ぐ。
  • 指定された敵を指定数倒すことでEXPを手に入れる。(クエストとは別にそういったシステムが別枠で準備されています)
  • クエストをクリアする。
  • ダンジョンを攻略する。
  • 1日に数枚発行されるチケットを消費することで受注の出来るクエストをクリアする。
  • F.A.T.E.(Full Active Time Event)に参加する。(PSO2をご存知の方は”Eトライアル”だと思ってもらえればOK!)

私が知っているWold of Warcraftの知識は初期の物なので、本当にクエストだけをこなしレベルをあげていくものでした。なので、もし受注出来るクエストが無くなった場合、しょっぱい敵を何匹も倒してEXPを稼がねばならなかったものです。
自分も遊び始めていてクエストベースと勝手に思い込んでいたのですが、どうも進めれば進む程選択肢が広がっていることに気がつき「ああ、沢山の方法があるんだ。」と感心したものでした。

しかし遊んでいると
「これ、レベルを上げるって……ただの通過点じゃない?」
とも感じ始めます。
そう、レベルを上げてキャラクターを育成するのはあくまでもゲーム内ので要素のほんの一部に過ぎない扱いのようなのです。
その為なのか、レベルアップのスピードは異様に早いです。
しかも(既にプレイされている方には、その言葉は間違っていると突っ込まれる事を覚悟の上で書きますが)ジョブごとにレベルが設定されていますが、自分の持つジョブの中で一番レベルの高いジョブよりも低いレベルのジョブを遊ぶと、EXPにボーナスがかかりよりレベリングのスピードは加速します。

相当なこだわりがあるなら別として、こうしたサポートシステムも完備されているので色々なジョブを楽しんだ方が個人的にはお得な気がします。ジョブごとにストーリーも準備されていますしね。
……ストーリーと言えば、このゲームには「メインストーリー」という大きな柱が準備されています。


メインストーリーはFF14においては欠かせず、何よりもどのMMORPGよりもスタンドアローンRPGめいた存在に仕立て上げ、ネットゲームという特別な壁を取り払おうとするFF14のチャレンジの1つです。
どのRPGもメインストーリーを進めなければ次のフィールドへ進めなかったり、ラスボスと戦ってゲームクリアできませんがFF14も同じでメインストーリーを進めなければ様々な要素が解禁されなかったりと、切り離せない存在となっています。


勿論お約束のボス戦もあります。……ってことはソロプレイでメインストーリーをクリアする事はできません。
少し話は脱線するのですが「MMORPGは時間がかかる」というお約束が作られていった理由にパーティーのマッチングがあるかと思います。

例えば6人でPTを組む場合、ジョブバランス関係なくただ闇雲に人を集めて編成するのであれば時間はかかりませんがネタプレイならともかく、野良プレイではまずできないことです。
やはり全面に出て敵の攻撃を食い止める役、その人達や他のパーティーメンバーをサポートする役、そして敵にダメージを与える役(俗にいう、タンク・ヒーラー・ダメージディーラーですね)をバランス良く編成しないとコンテンツの攻略は難しいものです。
そういったバランスのいい編成をする為にリーダーが人を探すのに時間がかかる……ここにその「MMORPGは時間がかかる」の理由の1つがあります。

FF14はここに大きなメスを入れました。FF14のありとあらゆるシステムの言える事ですが、今まで人の手で行ってきた面倒な事を全てゲームシステム側で面倒を見るようにしてくれています。
先ほどのパーティー編成についてもシステム側のサポートがあります、例えば「イフリートに行きたい!」と希望を出すとその希望を出している人をバランスのいいPT編成でマッチングしてすぐさま遊べるようにするシステムが準備されています。


このオートマッチングシステムのお陰でストーリー上、パーティーで挑まなければならないバトルやダンジョンの敷居は一気に低くなりました。このオートマッチングシステム(正式名称はコンテンツファインダーと言います)は本当に良く出来ています。

やっぱりゲームですからね、いらない所に時間を割きたく無いじゃないですか。
ログインしてやりたいこと決めてパッと遊ぶ、MMORPGが誕生して10年以上経ちますがしばらくゲームとして進化してきたのか今ひとつ微妙で敷居だけの高いネットゲームが水を与えられてよりゲームらしく成長していく一歩がここにあるのかな。



今回はゲームのチュートリアル部分、レベリング、メインストーリーとパーティーマッチングについて書きました。戦闘についても書きたかったんですが……ごめんなさい、流石にこれ以上長いと辛いと思いますのでまた何か機会があれば触れたいです。


最後になりますが「ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア」はEverQuestから始まったバトル系メインのMMORPGの系譜の末端にあたるような作品、何も新しい物はない「どノーマル」で「超スタンダード」な作りのMMORPGです。
常に新しいゲーム性を追い求めるゲーマーには物足りないかもしれませんが、長年磨き上げられてきたシステムを全て継承した作品ですので「安心して楽しめる」というのが一番のウリです。
MMORPGなのに優しくて、誰もが触れるだけの敷居の低さ……これがこの作品の強みなのだと思います。

今では数少ない月額課金モデルのゲームです、しかもパッケージ代もかかります。しかし初期投資は昨今のアイテム課金・ガチャ等々を見ればかわいいほどお手頃な値段です。
もしも興味が湧きましたら一度手に取ってみて欲しいなと、いちゲーマーとして薦めさせてもらいます。